疾患別で知る精神科訪問看護

「気分の波」に振り回されないために|双極性障害の方への訪問看護の役割と関わり方

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はじめに

双極性障害(躁うつ病)は、気分が異常に高揚する「躁状態」と、抑うつ的になる「うつ状態」とを繰り返す気分障害です。単なる「気分の浮き沈み」ではなく、脳の神経系の不調によって起こる医学的な疾患です。

れむりあでも、双極性障害の方への訪問看護のニーズは非常に高く、対応には細やかな理解と継続的な支援が求められます。

この記事では、「双極性障害の基礎知識」と「訪問看護による具体的な支援方法」について、れむりあの視点からご紹介します。


双極性障害とは?

■ 特徴的な症状

  • 【躁状態】気分が高揚し、活動的になる、眠らなくても元気、怒りっぽくなる、浪費や過度な自信行動、性的逸脱などがみられる。
  • 【うつ状態】重い気分、疲労感、意欲低下、自責感、希死念慮など。

この二つの状態を周期的に繰り返すのが、双極性障害の最大の特徴です。

■ タイプ

  • 双極I型:明確な躁状態がある
  • 双極II型:軽躁(ハイテンションに近いが病的レベル未満)と抑うつ状態を繰り返す

発症年齢は20代〜30代に多く、遺伝的要因やストレス、ライフイベントなどが引き金になることがあります。


日常生活に及ぼす影響

躁状態では、本人は「調子がいい」と感じていても、

  • 言動が攻撃的・過剰になりトラブルを起こす
  • 多額の出費や借金、過活動による疲労蓄積
  • 睡眠不足による体調悪化

など、本人も周囲も大きな困難を抱えることがあります。

一方で、うつ状態では、

  • 活動性が著しく低下し、食事・入浴すら困難
  • 自殺リスクが高まる

といった深刻な状況に陥る可能性があります。

そのため、躁うつの波を“早期に察知”して支援する体制が重要なのです。


訪問看護の役割と支援内容(れむりあの実際)

✅ 1. 生活リズムの安定化支援

れむりあでは、1回30分・定期訪問を通じて、

  • 起床・食事・服薬・就寝といった生活のリズムづくり
  • 睡眠状況の確認
  • 「最近、活動的になりすぎていないか?」「発言が早口になっていないか?」などのサイン確認

を行います。

躁状態の前兆を見逃さず、うつ状態への移行リスクも併せて評価しながら関わります。

✅ 2. 本人の自己理解と“波”の記録

双極性障害の方にとって、自分の調子の波を知ることは重要です。

  • 「前回の躁状態の始まりは何だったか?」
  • 「どのような時に落ち込みが強くなったか?」

といった過去の記録や自己評価を、看護師と共に振り返り、 自己コントロール感覚の回復を支援します。

✅ 3. 服薬管理と副作用チェック

双極性障害では、気分安定薬や抗精神病薬が用いられますが、 副作用(手の震え、眠気、体重増加など)や服薬拒否のリスクもあります。

訪問時には、

  • 正確な服薬の確認
  • 効果と副作用のバランスの把握
  • 主治医との連携による処方調整提案

を行い、治療継続のサポートをします。

✅ 4. 家族支援と情報提供

家族にとって、躁状態時の言動に困惑したり、うつ状態で何もできない姿に無力感を抱いたりすることはよくあります。

訪問では、

  • 家族からの状況ヒアリング
  • 疾患への理解を深めるための説明
  • 家族自身のケアや相談の場づくり

を大切にしています。


よくある誤解とQ&A

Q.「躁状態のときは元気だから安心」? → 実際はリスクが高い状態です。事故や浪費、人間関係の悪化など深刻な結果になることも。

Q.「本人が調子良いと言っているのに、薬をやめさせるのは可哀想?」 → 症状の波がある疾患なので、元気=回復ではありません。医師と相談して慎重に判断する必要があります。

Q. 家族が振り回されて疲れてしまいます… → ご家族のケアも重要です。れむりあでは、ご家族の相談にも対応し、適切な距離感や支援方法を一緒に考えます。


まとめ|“波をともに乗り越える”関係性

双極性障害は、治療によって「波の振れ幅」を小さくしながら、安定した生活を取り戻していくことが可能です。

精神科訪問看護ステーション「れむりあ」では、

  • 一人ひとりの波に合わせた支援
  • 無理のないペースでの継続的な関わり
  • 家族や主治医との連携を重視したサポート

を大切にしています。

「調子が良い時も、悪い時も、変わらず来てくれる人がいる」 その安心感こそが、回復への大きな一歩になります。

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